発達障害を抱える子どもは誰もがエジソンや坂本龍馬にはなれるわけではない
息子は不注意優勢型のADHDとディスレクシアを抱えており、子育ては苦労の連続でした。
物覚えが極端に悪く、指示が通らない。指示を忘れる。
文字が読めない。書けない。
時計が読めない。計算ができない。
身体の協応性が悪いので、スポーツも苦手。
周囲の生活のスピードについていけず、いつも取り残される。
とにかく年齢相応の能力が低く、あらゆるものが無い無い尽くしの息子なのです。
以前、そんな話を周囲にもらすと、
「そんなことないよ」
「うちの子もそうだって」
と返してくれます。
嬉しいなぁと思いつつも、
「そうじゃないんだよ・・・。話のレベルがまるで違うんだよ・・・。」
ともやもやした思いもありました。
最近は、世間一般に急速に「発達障害」への認知が進んできたように思います。
しかし、そこに大きな誤解もありました。
「発達障害がある子ってさ、特別な才能を持ってたりするんだよね」
「きっと誰よりもすごい能力を隠し持ってるんだよ」
「将来型破りなことをするんじゃない?」
私も先の見えない子育てに多少疲れてて、ついつい期待の目で息子を見ていた時期もありました。でも、よくよく考えると、小学生の一クラスに2人程度は発達障害の傾向があるというのに、全員が「偉人」になるとは思えませんよね。
息子の将来を決めつけるわけじゃないけど、やはりだいたいの傾向はわかります。
良くも悪くも、普通の障害児。
こだわりも執着もなく、行動に衝動性もない。穏やかで、毎日がゆっくり進む息子。
ただそれだけ。
もどかしさもあるけど、最近ようやく息子が可愛いと心から思えるようになりました。